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緑内障のメカニズム

緑内障の本質は視神経障害です。通常、眼球内では房水と呼ばれる液体が前眼房(虹彩と角膜の間)を循環しています。この房水は毛様体で産生され、線維柱帯から流出します。緑内障では、この房水の流出路に問題が生じ、眼圧(眼内圧)が上昇することが多いです。持続的な高眼圧は視神経の乳頭部に障害を与え、網膜神経節細胞が徐々に死滅していきます。これにより視野欠損が生じ、最終的には失明に至ることがあります。

視神経障害のメカニズムとしては、以下が考えられています。

  • 機械的圧迫説:高眼圧による視神経軸索への直接的な圧迫
  • 血流障害説:視神経乳頭部の血流不全による虚血性変化
  • グルタミン酸毒性:網膜神経細胞の過剰興奮による細胞死
  • 酸化ストレス:フリーラジカルによる細胞損傷
  • 自己免疫機序:神経組織に対する免疫応答の異常
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緑内障の分類と原因

開放隅角緑内障

最も一般的なタイプで、房水の流出路は解剖学的に開いているにも関わらず、線維柱帯の機能障害により房水の流出抵抗が増加します。開放隅角緑内障(原発開放隅角緑内障)は、眼球内の房水(目の水分)が正常に流れるものの、線維柱帯という排水路の目詰まりなどが原因で眼圧が上昇する緑内障の一種です。進行が遅く、初期症状がほとんどないため、気づかないうちに視野が狭窄し、最終的には失明に至る可能性があります。40歳以上で発症する確率が高く、定期的な眼科検診が重要です。

原因・危険因子:

  • 加齢(40歳以上で増加)
  • 遺伝的素因(MYOC、OPTN、WDR36などの遺伝子変異)
  • 高眼圧の既往
  • 家族歴
  • 人種(アフリカ系の人々でリスク上昇)
  • 高度近視
  • 中心角膜厚の菲薄化
  • 全身疾患(糖尿病、高血圧、循環器疾患)

閉塞隅角緑内障

解剖学的に前房隅角が狭く、虹彩が線維柱帯を物理的に閉塞することで急激な眼圧上昇を引き起こします。閉塞隅角緑内障は、虹彩(茶目)が角膜に近づき、隅角(前房の隅角)が塞がってしまうことで、房水の排出が妨げられ、眼圧が上昇する緑内障です。これは、急性緑内障発作を引き起こすこともあり、視力障害のリスクがあります。

原因・危険因子:

  • 解剖学的特徴(浅前房、水晶体の肥大、小眼球)
  • 東アジア系の人種
  • 加齢
  • 女性
  • 遠視

正常眼圧緑内障

眼圧は正常範囲内であるにも関わらず視神経障害が進行する病態です。眼圧の正常値は一般的に10~21mmHgとされていますが、緑内障の場合は、この範囲内でも視神経が障害される「正常眼圧緑内障」もあります。緑内障の治療では、眼圧を下げることが重要ですが、その適正値は個人差があります。

原因・危険因子:

  • 自己調節機能の障害
  • 視神経血流障害
  • 血管調節異常
  • 頭蓋内圧低下
  • 睡眠時無呼吸症候群
  • コラーゲン疾患

続発緑内障

眼疾患、全身疾患、薬剤などが原因で二次的に発症する緑内障です。続発緑内障とは、目の病気(ぶどう膜炎など)、全身の病気(糖尿病など)、薬の影響(ステロイド薬など)などが原因で眼圧が上昇し、緑内障を誘発するものを指します。原因となる病気を治療することが重要です。

原因:

  • 炎症(ぶどう膜炎)
  • 外傷
  • 腫瘍
  • 色素分散症候群
  • 偽落屑症候群
  • ステロイド長期使用
  • 糖尿病性網膜症の合併症
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緑内障の予防

緑内障は早期発見と適切な管理が重要です。以下の予防策が推奨されます。

定期的な眼科検診

  • 40歳以上は少なくとも1-2年に一度
  • 家族歴や危険因子がある場合はより頻繁に

健康的な生活習慣

  • 適度な運動(有酸素運動は眼圧低下に効果的)
  • バランスの取れた食事(抗酸化物質を含む食品の摂取)
  • 喫煙の回避
  • 適正体重の維持

全身疾患の管理

  • 高血圧、糖尿病などの適切なコントロール
  • 循環障害のリスク低減

眼の保護

  • 目の怪我予防
  • 紫外線からの保護

薬剤の適切な使用

  • ステロイド点眼薬の長期使用を避ける
  • 医師の指示に従った薬剤管理
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緑内障の治療法

治療の主目的は視神経障害の進行を防ぎ、視機能を保存することです。現在の治療アプローチには以下があります。

薬物療法

プロスタグランジン関連薬

  • ラタノプロスト、ビマトプロスト、トラボプロスト、タフルプロスト
  • 作用機序:ぶどう膜強膜流出路を介した房水流出促進
  • 特徴:1日1回点眼、眼圧下降効果が高い(20-35%)

β遮断薬

  • チモロール、カルテオロール、ベタキソロール
  • 作用機序:房水産生抑制
  • 特徴:気管支喘息や徐脈性不整脈患者には禁忌

α2作動薬

  • ブリモニジン、アプラクロニジン
  • 作用機序:房水産生抑制と流出促進
  • 特徴:神経保護作用の可能性あり

炭酸脱水酵素阻害薬

  • 点眼薬:ドルゾラミド、ブリンゾラミド
  • 経口薬:アセタゾラミド
  • 作用機序:房水産生抑制
  • 特徴:全身性の副作用に注意(経口薬)

配合剤

  • 複数の薬剤を一つの点眼薬に配合
  • 利点:点眼回数の減少、アドヒアランス向上

レーザー治療

選択的レーザー線維柱帯形成術(SLT)

  • 低出力のNd:YAGレーザーを線維柱帯に照射
  • 作用機序:細胞の遊走促進と炎症反応による房水流出改善
  • 特徴:非侵襲的、繰り返し施行可能、開放隅角緑内障に有効

周辺部虹彩レーザー光凝固術(LPI)

  • 虹彩に小さな穴を作成
  • 作用機序:房水の流れを改善し、瞳孔ブロックを解除
  • 特徴:閉塞隅角緑内障および予防的処置に有効

毛様体光凝固術(CPC)

  • 毛様体を凝固し、房水産生を減少
  • 特徴:難治性緑内障に対する最終手段

手術療法

線維柱帯切除術

  • 強膜に新たな房水流出路を作成
  • 特徴:最も古典的かつ効果的な緑内障手術、濾過胞関連合併症あり

緑内障インプラント手術

  • Ahmed弁、Baerveldt、Molteno等のデバイスを使用
  • 特徴:難治性緑内障や線維柱帯切除術後の失敗例に有効

最小侵襲緑内障手術(MIGS)

  • iStent、Hydrus、XEN、CyPassなど
  • 特徴:安全性が高く、中等度緑内障や白内障手術と同時施行に適す

新たなアプローチ

神経保護療法

  • 視神経細胞死を直接防止する薬剤開発
  • 研究段階:カルシウム拮抗薬、グルタミン酸拮抗薬など

遺伝子治療

  • MYOC遺伝子など特定の変異に対する治療法開発中

再生医療

  • 網膜神経節細胞や線維柱帯細胞の再生研究

結論

緑内障は複雑な病態を持つ疾患であり、早期発見と適切な治療が視機能保存の鍵となります。現在の治療は主に眼圧下降を目的としていますが、将来的には神経保護や組織再生といった新たな治療法の発展が期待されています。患者個々の病態、進行度、全身状態に合わせた包括的なアプローチが必要であり、眼科医との定期的な連携が重要です。緑内障は完治が難しい疾患ですが、適切な管理により良好な視機能を長期間維持することが可能です。

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