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【豊島区全昌院】人生初の精進料理教室に参加してきた

全昌院は、昭和14年(1939)に、福井県若狭の国から上京した先代により創建されたとっても曹洞宗の新しいお寺です。東京・豊島区の西武池袋線・東長崎駅から徒歩5分の場所にあります。毎月第二木曜日に精進料理教室を開催しています。精進料理を学ぶことは長年の夢であったので、仕事をサボって参加してきました(^^)

精進料理の基礎知識

精進料理はご存知の方も多いと思いますが、肉や魚を一切使いません。

出汁も和食で基本の鰹節や煮干しも使いません。精進料理とは、仏教の戒に基づき殺生や煩悩への刺激を避けることを主眼として調理された料理ですので、肉や魚などの殺生を避けているのです。

味のベースとなる出汁には、昆布の戻し汁、干し椎茸戻し汁、大豆煎りの戻し汁、切り干し大根の戻し汁などを使用します。干し椎茸はそのままだと香りが強すぎるので、一回煮こぼしてから使うこともあります。

精進料理の心得

全昌院の住職は永平寺で典座(お料理番)として修行をされていた方で、本場の精進料理を教えてくれます。全昌院では精進料理教室を始めて10年にもなり、多くの方がここで学ばれました。

「一生懸命」という言葉がありますが、精進料理を作る際は「一生」だと疲れてしまうので、その場を「一所懸命」に作り、残さないように食べることが基本との事です。

そして三心を持ってやること。

「三心(さんしん)」とは、「喜心(きしん)」「老心(ろうしん)」「大心(だいしん)」『典座教訓』という書物に道元禅師が食事を作る心構えが示されています。

喜心とは、喜びの心です。

人間に生まれた喜びや感謝。今、目の前にある生命(食材)の恵みに対しての喜び。料理が出来る喜び。

老心とは、孫や子供を愛するような慈しみの心。

母が我が子を思うように、無償の愛情をもって調理すること。
料理を召しあがる人のことを思う「おもてなし」の心です。

大心とは、山の如く高く海の如く広い寛大な心です。

どんな方へも偏見や固定観念を捨て、召し上げる人のことを思うことです。
親切丁寧な心掛けと作法です。

つまり、喜心=つくる喜び
    老心=もてなす喜び
    大心=相手の立場を思う喜び、親切心です

この三つの心を大切に実践して、精進料理にも向き合います。

本日のメニュー

大根のとも煮

大根は皮を剥いて輪切り⇒四等分したものと大根の擦りおろしを混ぜて煮ます。塩を少々、昆布の出汁、お酒を少々を入れて薄口醤油で味付けます。精進料理では素材の色を残すため薄口醤油を多く使うそうです。精進料理で砂糖は使いますが、みりんはあまり使いません。みりんの役割は甘味と照り出しですが、照り出しは精進料理では必要ないから砂糖で十分なのでしょう。

ほうれん草と生しいたけの柚子和え

ほうれん草は根元の先端に十字の切目を付けて1分ほど茹でます。その後バットに移して冷まし、食べやすい大きさに切り分けます。生椎茸はヘタを切り魚焼きオーブンで5分ほど焼いて細かく切ります。醤油と柚子の絞り汁を混ぜたボウルにほうれん草と生しいたけを混ぜ合わせます。

かつお節を添えたいところですが、精進料理なので無しですね。。

自然薯の焼き物

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自然薯をすり鉢かおろし器ですり下ろします。すり鉢で擦るとかなりきめ細かく擦れますが、かなり大変です(;^_^

長芋に比べて水分が少なく、繊維が細かいためすり下ろすのはなかなかの重労働。すり下ろした自然薯に小麦粉と塩を少々加えて、出汁を取った昆布を刻んで混ぜ、フライパンで焼いて完成です。

見た目は鳥のささ身かお餅みたいですが、表面はカリカリ中がふんわりして食感はハンペンのようです。

大きな自然薯です
自然薯を擦りおろしている様子
よく混ぜ合わせます

けんちん汁

大根、人参、レンコン、戻した干し椎茸、こんにゃくを食べやすい大きさに切ります。大根は皮を剥いて輪切り⇒四等分、人参は細目のものをそのまま輪切り、レンコンは輪切り⇒二等分、こんにゃくはまな板の上に置いて、コップの淵でサクサクと切り取ります。こんにゃくを手でちぎるよりも均等な大きさに簡単に切り分けられます。

切った野菜はゴマ油で軽く炒めて、鍋に移して水で煮ます。その後シイタケの戻し汁を加えて、塩を少々。木綿豆腐を塩をふってからすりこぎ棒で軽く潰して水分をきり、フライパンで空煎りします。その後鍋の野菜に合わせて煮ます。薄口醤油で味付け。火から下ろしたら、生姜の擦りおろしと柚子の絞り汁を合わせ最期に軽く温めて完成です。

丹波黒豆

住職が数日前から仕込んで作ってきてくれました。かなり砂糖をたくさん使うそうです。黒豆を煮る時には錆びた鉄クギを使うそうです。

黒豆を煮る時、なぜ錆びたを入れるのか? それはの酸化と黒豆のアントシアニンが結びつくことで色鮮やかな黒豆ができるとのこと。 新しいでも良いですが、新しいと鉄分が流れ出にくいので古いがオススメ。 しかも貧血気味の方にはよく鍋で料理すると良いといわれますが、このを入れることで体内に鉄分も多少補給できます。

ごはん

ごはんも住職が炊いて用意してくれました。

デザート

参加者の方はお土産のお菓子を持ってきてくれ、大きなイチゴを住職が西友から買って来てくれました(笑)お茶と一緒に頂きます。お土産に柚子も貰いました。

作法

五観の偈

精進料理を頂く前には、五観の偈を唱えます。

一つには功(こう)の多少(たしょう)を計(はか)り彼(か)の来処(らいしょ)を量(はか)る

*このお米は八十八回と云われる程大変な苦労を重ねて出来たものでありこの食膳に上るまでに沢山の人の手を経て今始めて戴けた事に先づ感謝する

二つには己(おの)れが徳行(とくぎょう)の缺(ぜんけつ)を忖(はか)って供(く)に應(おう)ず

*私は今この食事を戴ける程日夜精進努力しているかどうか反省する

三つには心(しん)を防(ふせ)ぎ過(とが)を離(はなる)ることは貪等(とんとう)を宗(しゅう)とす

*お腹がへると怒りっぽくなったりしてとかく過ちを犯しがちなもの、そうかと云っておいしいから沢山食べ嫌いなものだからと云って少しでやめたりはしない

四つには正(まさ)に良藥(りょうやく)を事(こと)とするは形枯(ぎょうこ)を療(りょう)ぜんが為(た)めなり

*食事する事は薬を戴くのと同様でやせ細ったり命が絶えたりしない為に戴くものである

五つには成道(じょうどう)の為(た)めの故(ゆえ)に今此(いまこ)の食(じき)を受(う)く

*自分自身の本分を完うし、よりよき人間として素晴らしく生き続ける為に今この食事を戴きます

普回向

食後には、普回向を唱えます。

願 わくは 此 の 功徳 を 以 て 普 く 一切 に 及 ぼし、. ねがわくはこのくどくをもってあまねくいっさいにおよぼし、. 我等 と 衆生 と 皆 共 に 仏道 を 成 ぜんことを. われらとしゅじょうとみなともにぶつどうをじょうぜんことを

まとめ

全昌院の住職は、永平寺の典座(お料理番)として修行された方で、本場の精進料理を学ぶことができます。

長年、精進料理を学ぶことが夢でしたが、なかなか精進料理を教えてくれるお寺が少なく、料理研究家の方がやられている精進料理教室はかなりお高いので、全昌院で学ぶことができて本当に良かったです。参加費は2,000円です。

そして特筆すべきことは、一切計量カップを使いません。その都度味見をしながら、味の調整をされていました。他の料理教室では考えられないことですね。

私は以前、マクロビオティック料理の学校に三年ほど通っていたので、精進マクロビ料理を完成させることが当面の目標です。

平日開催はなかなか都合が付かないですが、今後もなるべく通おうと思います。精進料理のご興味のある方は、全昌院の精進料理教室に一度参加してみてください。

最期に全昌院の大本山、永平寺や禅についてのドキュメンタリーをご覧ください。

全昌院の精進料理教室について

なお全昌院では毎週日曜日に坐禅会も開催しています。その時の記事はこちらでご覧ください。

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