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危険物取扱者乙二類 試験対策ノート

  • 2024年11月23日
  • 2024年12月2日
  • 資格

硫化リン三硫化りん、五硫化りん、七硫化りん
赤リン赤褐色の粉末、400℃で昇華
硫黄水に不溶。二硫化炭素に可溶。燃焼で有毒な二硫化硫黄を発生
鉄粉灰白色の粉末。アルカリに溶けない。水分で発火
金属粉アルカリ金属、アルカリ土類金属、鉄、マグネシウム、銅粉、ニッケル粉を除く
マグネシウム銀白色の軽く柔らかい金属。白光で激しく燃焼
引火性固体メチルアルコール固体、エチルアルコール固体、ゴムのり

第2類に共通する特性の重要ポイント

共通する性状

  1. 固体の可燃性物質である。
  2. 一般に比重は1より大きく、水に溶けないものが多い。
  3. 燃焼の際、有毒ガスを発生するものがある。
  4. 酸化されやすい(燃えやすい)物質である。
  5. 酸化剤と混合すると、発火、爆発することがある。
  6. 酸, アルカリに溶けて (反応して) 水素を発生するものがある。
  7. 微粉状のものは、空気中で粉じん爆発を起こしやすい。⑥のように、酸にもアルカリにも溶ける (反応する) 元素を両性元素とい い, アルミニウムや亜鉛などが該当します。

貯蔵および取扱い上の注意

  1. 火気 (炎や火花など) や高温体との接触 および加熱を避ける。
  2. 酸化剤との接触や混合を避ける。
  3. 一般に,防湿に注意して容器は密封 (密栓) する。
  4. 冷暗所に貯蔵する。
  5. その他
    ・鉄粉 金属粉およびマグネシウム(またはこれらのものを含有する物質)は水や酸との接触を避ける。
    ・引火性固体にあっては, みだりに蒸気を発生させない。

共通する消火の方法

  1. 一般的には,水系の消火器 (強化液, 泡など) 冷却消火するか、また は乾燥砂などで窒息消火する。
  2. 注水により発熱や発火するもの (鉄粉, 金属粉, マグネシウム粉など)や有毒ガスを発生するもの(硫化リン)には、乾燥砂などで窒息消火する。

第2類に共通する特性のまとめ

共通する性状可燃性固体で一般に比重は1より大きく、水に溶けないものが多 い。 また, 酸化されやすく、酸化剤と混合すると発火, 爆発する 危険性がある。
貯蔵, 取扱い方法火気, 加熱, 酸化剤を避け、密栓して冷暗所に貯蔵する。
消火方法注水消火するものや注水厳禁なものなど, 各物質によって異なる。

第2類危険物に属する各物質の 重要ポイント

硫化リン (硫黄とリンが化合した物質)

主な
物質名
形状比重発火点融点自然
発火
粉じん爆発消化
三硫化リン黄・結2.03100℃173℃なしなし
粉末
CO2
五硫化リン淡黄・結2.09290℃
七硫化リン淡黄・結2.19310℃

結:結晶

性状

  1. 黄色又は淡黄色の結晶である。
  2. 融点は,三硫化リン<五硫化リン<七硫化リン, という順に高くなる。
  3. 三硫化リンは水には溶けない。
  4. 二硫化炭素に溶ける。
  5. 三硫化リンは熱水と, 五硫化リンは水 (冷水) と, 七硫化リンは冷水, 熱水とも反応して, 可燃性で有毒な硫化水素 (HS) を発生する。
  6. 燃焼すると, 有毒ガス (亜硫酸ガスSO2など) を発生する。(注:五硫化リンは五硫化ニリンともいう)

貯蔵, 取扱い法

・水や金属粉などと接触させない。

消火方法

  1. 水は厳禁。
  2. 乾燥砂 (または粉末消火剤か二酸化炭素消火剤)で消火する。

赤リン

主な
物質名
形状比重発火点融点自然
発火
粉じん爆発消化
赤リン赤褐・粉2.1~2.2260℃600℃あり

粉:粉末

性状

  1. 赤褐色の粉末で, 無臭で無毒である。
  2. 水にも二硫化炭素にも溶けない。
  3. 自然発火はしないが、 黄リンを含んだものは自然発火の危険性がある。
  4. 黄リンの同素体で黄リンよりも不活性である(⇒安定している)。
  5. 燃焼すると, 有毒なリン酸化物を発生する。

消火方法

  1. 注水による冷却消火
  2. 乾燥砂で窒息消火する。

硫黄

主な
物質名
形状比重発火点融点自然
発火
粉じん爆発消化
硫黄黄・個/粉2.07232~360℃113℃なしなし
土砂

固:個体 粉:粉末

性状

  1. 黄色の固体または粉末で,無味、無臭である。
  2. 主な同素体に斜方硫黄, 単斜硫黄, 非晶形, ゴム状硫黄などがある。
  3. 水には溶けないが, 二硫化炭素には溶ける。
  4. エタノール, ジエチルエーテルには,わずかしか溶けない。
  5. 燃焼すると,有毒な二酸化硫黄(SO2 亜硫酸ガス) を発生する。
    (*無臭について: 温泉地での 「硫黄の臭い」というのは,正確には「硫化 水素の臭い」 である)。

貯蔵, 取扱い法

  1. 空気中に飛散させない。
  2. 静電気対策をする。
  3. 塊状の硫黄は, 「麻袋, わら袋」 粉末状の硫黄は, 「二層以上のクラフト紙, 麻袋」 などの袋に入れて貯蔵する。

消火方法

水 (噴霧注水) と土砂により消火する。

鉄粉

主な
物質名
形状比重発火点融点自然
発火
粉じん爆発消化
鉄粉灰色/粉7.86なし1535℃ありあり
金属消火剤

性状

  1. 灰白色の粉末である。
  2. 水, アルカリには溶けない。
  3. 酸に溶けて水素を発生する。
  4. 微粉状のものは, 空気との接触面積が大きいので、 発火 (爆発) する危険性がある。
  5. 鉄粉のたい積物は,空気との接触面積が小さいので,酸化されにくい。
  6. 湿気により酸化し, 発熱することがある。

<鉄粉のたい積物について〉
・空気を含むので熱が伝わりにくくなる。
・単位重量当たりの表面積が小さいので,酸化されにくい。
・水分を含むたい積物は,酸化熱を内部に蓄積し、発火することがある。

消火方法

  1. 乾燥砂等か金属火災用粉末消火剤で消火する。
  2. 加熱したものに注水すると爆発する危険性があるので 注水は厳禁!

金属粉

主な
物質名
形状比重発火点融点自然
発火
粉じん爆発消化
アルミニウム粉銀白・粉2.7550~640℃660℃ありあり
金属消火剤
亜鉛粉灰青・粉7.14419℃

性状

  1. (アルミニウム粉)銀白色の粉末で,比重は1より大きい。
    (亜鉛粉)灰青色の粉末で,比重は1より大きい。
  2. 水には溶けないが, 両性元素なので,酸, アルカリ (水酸化ナトリウム など) 双方に溶けて水素を発生する。
  3. 水と反応して水素を発生し、爆発することがある。
  4. 空気中の水分や湿気と反応して発火することがある (下線部⇒「自然発 火する」と表現する場合もある)。
  5. 空気中で浮遊すると、粉じん爆発することがある(粒子どうしの接触に よる静電気火花や摩擦熱等により)。
  6. (亜鉛粉)水分を含む塩素と接触すると, 自然発火す ることがある。

貯蔵, 取扱い法

水分やハロゲンとの接触を避ける。

消火方法

乾燥砂か金属火災用粉末消火剤で消火する (注水は厳禁!)。

マグネシウム

主な
物質名
形状比重発火点融点自然
発火
粉じん爆発消化
マグネシウム銀白・粉1.74なし650℃ありあり
金属消火剤

性状

  1. 銀白色の軽い金属である。
  2. 製造直後のものは,酸化被膜が形成されておらず 発火しやすい。
  3. 燃焼すると, 白光を放って高温で燃え, 酸化マグネシウムを生じる。
  4. 水とは徐々に,熱水とは激しく反応して水素を発生する。
  5. 空気中で浮遊すると, 粉じん爆発することがある (粒子どうしの接触に よる静電気火花や摩擦熱等により)。

貯蔵, 取扱い法

水分や酸との接触を避ける。

消火方法

乾燥砂か金属火災用粉末消火剤で消火する (注水は厳禁!)。

引火性固体

性状

  1. 固形アルコールその他1気圧において引火点が40℃未満のもので いずれも常温(20℃) で引火する危険性がある。
  2. 常温 (20℃)で可燃性ガスを発生する。
  3. 固形アルコール
    ・エタノールまたはメタノールを凝固剤で固めたもの (圧縮固化ではないので注意), アルコールと同様の臭気がある。
    ・40℃未満で可燃性蒸気を発生し, 引火しやすい。
  4. ゴムのり
    ・生ゴムをベンゼンなどの石油系溶剤に溶かした接着剤である。
  5. ラッカーパテ
    ・トルエン、酢酸ブチル、ブタノールなどを成分とした下地修正塗料である。

消化方法

泡消火剤, 二酸化炭素消火剤, ハロゲン化物消火剤 粉末消火剤などを用いて消火する。

第2類危険物の総まとめ

(1) 比重は1より大きい。
(2) 水には溶けない。
(3)二硫化炭素に溶けるもの(覚え方 両方とも「硫」がついている)。硫化リン, 硫黄
(4) 発生するガスの種類

 ① 水素を発生するもの

鉄粉 酸(塩酸など)に溶けて水素を発生する
アルミニウム粉
亜鉛粉
・酸(塩酸や硫酸)やアルカリ (水酸化ナトリウム)に溶 けて水素を発生する。
・水と反応して水素を発生する。
マグネシウム熱水希薄な酸に溶けて水素を発生する


注) 鉄粉とマグネシウムはアルカリとは反応しません。
〈覚え方〉徹 (鉄粉)マン(マグネシウムで歩(アルカリ)けない(無し)

② 硫化水素を発生するもの

硫化リン水または熱水と反応して硫化水素を発生する

③ 二酸化硫黄を発生するもの

硫黄
硫化リン
燃焼の際に二酸化硫黄を発生する

(5)自然発火のおそれのあるもの

赤リン黄リンを含んだ赤リンは、自然発火のおそれがある
鉄粉油のしみた鉄粉は、自然発火のおそれがある
アルミニウム粉空気中の水分と接触すると、自然発火のおそれがある
マグネシウム空気中の水分やハロゲン元素などと接触すると、自然発火 このおそれがある

<覚え方 >・自然発火のおそれのあるもの
(発火するので) ア(アルミ)セ(赤リン)ッて(鉄粉)ま(マグネシウム)す。

(6) 粉じん爆発するおそれがあるもの

赤リン, 硫黄, 鉄粉, アルミニウム粉, 亜鉛粉, マグネシウム

(7) 消火の方法

① 注水消火するもの

・赤リン、硫黄

② 金属火災用粉末消火剤 (塩化ナトリウムが主成分)により消火するもの

・鉄粉、アルミニウム粉、亜鉛粉、マグネシウム

③ 注水厳禁なもの

・亜鉛粉、アルミニウム粉、硫化リン、マグネシウム、鉄粉

〈覚え方 〉・注水厳禁なもの (③)

あ(亜鉛)あ(アルミ)、竜(硫化リン)馬(マグネシウム)って(鉄粉) チュー(注水)嫌いだったのか

④ 二酸化炭素が使用可能なもの

・硫化リン、引火性固体

⑤ 引火性固体は, 泡, 二酸化炭素, ハロゲン化物、粉末消火剤などで消火する。

(8)乾燥砂は第二類危険物に有効である(ただし、引用性固体は除く)

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