概要
古古古米とは、収穫から3年が経過したお米のことを指します。収穫した年から年数を重ねる毎に「古」が増え、前年に収穫された米を古米、前々年に収穫された米を古古米（ここまい）、そして3年前に収穫された米を古古古米（こここまい）と呼びます。
この分類は「米穀年度（べいこくねんど）」と呼ばれる農林水産省が規定した期間を基準としており、11月1日から翌年の10月31日までの期間で区切られています。これは日本の主食であるお米の収穫が11月に始まっていた歴史的背景に由来しています。
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風味と特徴
味・香りの変化
新潟大学の三ツ井敏明特任教授による分析では、古古古米（2021年産）と新米（2024年産）を比較した結果、酸化によって特有の「古米臭」が発生する成分（例：ヘキサナール）が増加していることが判明しています。これにより油っぽく鼻につくにおいが出やすくなります。
食感の変化
新米に比べて古古古米は水分量が減少し、ツヤや風味、粘り、香りなど全てにおいて劣化が進んでいます。時間の経過とともに米粒の弾力性が失われ、パサつきが顕著になる傾向があります。
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銘柄について
古古古米として流通するお米は、元々は様々な銘柄のお米です。コシヒカリ、ササニシキ、あきたこまちなど、日本各地の代表的な品種が古古古米として市場に出回ることがあります。ただし、銘柄による味の違いよりも、経年による劣化の影響の方が大きく現れるのが特徴です。
価格
古古古米の価格は新米の半額程度になることもあります。これは食味の劣化や需要の低下を反映した価格設定となっています。市場データによると、古米関連商品の平均落札価格は60Kg 7,464円程度で推移しています。ここでもあと１年経過すればエサ米として60Kg 1000円となります。
価格が安い理由は以下の通りです。
- 食味の劣化による商品価値の低下
- 消費者の新米志向による需要の減少
- 長期保存コストの転嫁
- 在庫処分的な側面
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主な用途
人間の食用以外の用途
通常の食用には向かない場合もありますが、古古米・古古古米は以下の用途で活用されています。
家畜の飼料（養鶏・養豚・乳牛など）、加工食品（煎餅・リキュール・米酢）
つまり、人間の主食としては価値が下がるものの、飼料や加工用としては十分に再利用価値があります。
人間の食用としての活用
味の差はそこまで顕著ではなく、玄米で冷蔵保存し、精米後すぐ炊飯することで一定のおいしさは保たれるといいます。
適切な調理法を用いることで、家庭での食用としても十分活用可能です。
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貯蔵方法
最適な保存環境
古古古米を少しでも良い状態で保つためには、以下の条件が重要です。
- 温度管理: 低温（15℃以下）での保存
- 湿度管理: 適切な湿度（60-65%）の維持
- 酸素遮断: 密閉容器での保存
- 直射日光の回避: 暗所での保管
玄米vs精米での保存
玄米で冷蔵保存し、精米後すぐ炊飯することで一定のおいしさは保たれるとされており、玄米状態での保存が品質維持には有効です。精米済みの古古古米は酸化が進みやすいため、早期の消費が推奨されます。
流通について
市場での位置づけ
古古古米は一般的な小売店での取り扱いは少なく、主に以下のルートで流通しています。
- 農業関係者向けの直販
- インターネット通販
- 業務用食材として
- 飼料用として
備蓄米としての流通
小泉大臣が来週にも店頭に並べられると話す「備蓄米」として、スピード感を持って届けるため、玄米のまま店頭に並ぶ可能性があります。国の備蓄政策の一環として、古古古米が市場に放出されることがあります。
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古古米・古米との違い
保存年数による分類
- 古米: 収穫から1年経過
- 古古米: 収穫から2年経過
- 古古古米: 収穫から3年経過
品質の違い
年数を重ねるごとに以下の劣化が進行します。
- 水分含有量の減少
- 酸化による風味の変化
- 粘りや弾力性の低下
- 特有の臭いの発生
価格の違い
保存年数が長くなるほど価格は下がる傾向にあり、古古古米は最も安価な部類に入ります。
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安全性について
専門家による分析では、古古古米は安全性に問題がないことが確認されています。適切に保存されていれば、カビや害虫の発生がない限り、食品として安全に摂取できます。
ただし、以下の点には注意が必要です。
- 保存状態の確認
- カビや異臭の有無のチェック
- 虫害の確認
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まとめ
古古古米は、味や保存法に注意しながら賢く活用することで、コストを抑えつつフードロス削減にもつながります。食料価格高騰の時代において、適切な知識を持って活用すれば、家計の節約と環境への配慮を両立できる選択肢の一つと言えるでしょう。
新米と比較すると確実に品質は劣りますが、加工用途や特定の調理法を用いることで、十分に活用価値のある食材として位置づけることができます。購入を検討する際は、保存状態や用途を十分に考慮した上で判断することが重要です。
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