せんべいの種類と特徴
せんべいには大きく分けて2つの系統があります。
- 草加せんべい系:うるち米を原料とする関東風
- 京せんべい系:小麦粉を原料とする関西風
今回は最も一般的な「草加せんべい」タイプの作り方を中心に解説します。
原材料

基本材料
- うるち米:300g(新米より古米の方が適している)
- 水:適量(米の1.2倍程度)
- 塩:小さじ1/2
調味料(醤油せんべいの場合)
- 濃口醤油:大さじ3
- みりん:大さじ1
- 砂糖:小さじ1
- だし汁:大さじ1(昆布だしまたは煮干しだし)
その他の味付けオプション
- 塩せんべい:粗塩、ごま塩
- 海苔せんべい:刻み海苔、青のり
- ごませんべい:白ごま、黒ごま
- 味噌せんべい:赤味噌、白味噌
概要 古古古米とは、収穫から3年が経過したお米のことを指します。収穫した年から年数を重ねる毎に「古」が増え、前年に収穫された米を古米、前々年に収穫された米を古古米(ここまい)、そして3年前に収穫された米を古古古米(こここまい)と呼び[…]
下処理
1. 米の準備
- うるち米を水で洗い、ざるにあげて30分水切り
- 米を蒸し器で40-50分蒸す(炊飯器で固めに炊いてもよい)
- 蒸し上がったら熱いうちに塩を混ぜ込む
2. 米の粉砕
- 蒸した米を臼と杵で搗く(なければフードプロセッサーで細かく砕く)
- 完全にペースト状になるまで搗き続ける
- 滑らかな餅状になったら完成
3. 生地の成形
- 搗いた米を手のひら大に分割(約30g程度)
- 濡らした手で丸く成形
- 平らに伸ばして直径8-10cmの円形にする
- 厚さは2-3mm程度に調整
近年、日本の米市場は価格高騰と供給不足の問題に直面しています。かつて「コメ余り」と言われた状況から一転し、今や消費者は高騰する米価格と向き合わざるを得なくなっています。この記事では、日本の米価格高騰の現状、その背景と原因、価格推移、流通の[…]
乾燥工程
自然乾燥
- 竹すのこやざるに並べる
- 風通しの良い日陰で3-7日間乾燥
- 表面が乾いたら裏返す
- 完全に水分が抜けてカチカチになるまで干す
現代的な乾燥方法
- オーブン:80°Cで2-3時間、途中で裏返す
- 食品乾燥機:60-70°Cで4-6時間
- 天日干し:晴天時に直射日光で1-2日
焼き方
七輪での伝統的焼き方
- 七輪に炭を起こし、中火程度に調整
- 金網を炭火から15-20cm離して設置
- 乾燥したせんべいを網に並べる
- 片面2-3分ずつ焼く
- 表面に細かい泡が出てきたら焼き上がりの合図
現代的な焼き方
オーブントースター
- 200-220°Cに予熱
- アルミホイルを敷いた天板にせんべいを並べる
- 片面2-3分ずつ焼く
- 焦げやすいので注意深く見守る
フライパン
- テフロン加工のフライパンを中火で熱する
- 油は使わずにせんべいを並べる
- 片面2-3分ずつ焼く
- 膨らんできたら裏返す
ガスコンロ直火
- 金網を火から20cm程度離す
- 弱めの中火で焼く
- 火加減に注意しながら両面を焼く
事件の概要 三笠フーズ事件(正式名称:事故米不正転売事件)は、2008年9月に発覚した日本の食品安全史上最大級の不正転売事件の一つです。米粉加工会社「三笠フーズ株式会社」が、農林水産省から工業用(非食用)として購入し[…]
調味工程
醤油せんべいの味付け
- 醤油、みりん、砂糖、だし汁を混ぜ合わせてタレを作る
- 焼き上がったせんべいが熱いうちにハケでタレを塗る
- 再度軽く炙って表面を乾かす
その他の味付けタイミング
- 塩味:焼く前に塩を振る、または焼き上がり直後
- ごま:焼く前に生地に練り込む、または表面にまぶす
- 海苔:焼き上がり後に刻み海苔をまぶす
仕上げと冷却
冷却方法
- 焼き上がったせんべいをすのこに並べる
- 室温で完全に冷ます(約30分)
- 湿気を避けるため、風通しの良い場所で冷却
最終チェックポイント
- サクサクとした食感があるか
- 全体が均一に焼けているか
- 調味料がしっかり染み込んでいるか
- 水分が完全に飛んでいるか
保管方法
短期保存(1-2週間)
- 密閉容器に乾燥剤と一緒に入れる
- 冷暗所で保管
- 湿気を避けることが最重要
長期保存(1-2ヶ月)
- 1枚ずつラップで包む
- 冷凍用保存袋に入れて冷凍庫へ
- 食べる時は自然解凍で元の食感が戻る
保存時の注意点
- 湿気は大敵、シリカゲルなどの乾燥剤を活用
- 直射日光を避ける
- 他の食品の匂いが移らないよう密閉する
- 定期的に湿気ていないかチェック
概要 ミニマムアクセス米(MA米:Minimum Access Rice)は、日本が1993年のWTO(世界貿易機関)ウルグアイ・ラウンド農業合意に基づいて毎年輸入している外国産米です。現在、年間77万トンを輸入しており、これは国内[…]
賞味期限
手作りせんべいの目安
- 常温保存:適切に乾燥・保管した場合2-3週間
- 冷凍保存:2-3ヶ月
- 真空パック:1-2ヶ月
品質劣化のサイン
- 湿気てしなっとしている
- カビが生えている
- 変な匂いがする
- 色が変色している
トラブルシューティング
よくある問題と解決法
せんべいが割れる
- 原因:乾燥不足、急激な温度変化
- 解決法:十分に乾燥させ、焼く際は予熱を十分に
焼きムラができる
- 原因:厚さが不均一、火力が不安定
- 解決法:成形時に厚さを揃える、火加減を一定に保つ
湿気てしまう
- 原因:乾燥不足、保存方法が不適切
- 解決法:再度軽く炙って乾燥、保存容器に乾燥剤を入れる
味が薄い
- 原因:調味料が少ない、塗布が不均一
- 解決法:焼き上がり直後の熱いうちに味付け
地域別バリエーション
関東風(草加系)
- うるち米100%
- 醤油ベースの甘辛い味付け
- 厚めでザクザクした食感
関西風(京せんべい)
- 小麦粉ベース
- 薄くて軽い食感
- 上品な味付け
九州風
- もち米を混合することも
- 味噌ベースの味付けが人気
- やや厚めの仕上がり
栄養価とカロリー
基本的な栄養成分(100gあたり)
- カロリー:約380-420kcal
- 炭水化物:約85-90g
- タンパク質:約6-8g
- 脂質:約1-3g
- 食物繊維:約2-3g
手作りせんべいは添加物を使わない自然な食品として、適量であれば健康的なおやつとして楽しめます。
はじめに:日本の米農業の現状 日本の米農業は長い歴史と伝統を持ち、国民の主食を支える重要な産業です。しかし、近年は農業従事者の高齢化や後継者不足、国際競争の激化など、様々な課題に直面しています。一方で、高品質な日本米への国内外の需要[…]